創薬分子プロファイリング研究センター
センター長 夏目 徹
本研究センターに構築された世界屈指の創薬基盤技術をさらに発展高度化するとともに、 積極的に産業界と連携し、創薬産業を短期的に活性化させるとともに、 生命科学における新パラダイム創出を目指すことを本研究センターのミッションとする。 それとともに、あらたな市場を生み出せるポテンシャルのある、 完成された技術基盤やノウハウをくくりだし、産業界とともにジョイント事業を創出する ことを目指す、「実験的」な事業化センターとしての機能も果たす。即ち、橋渡しをする 相手が存在しない、新規な事業を自ら「橋を渡り」、新たな産業と市場と生み出すことを 目指す。
橋渡し研究に関しては、個別テーマでの連携を極力避け、より包括的なコンサルテーションを含むテーマ連携を中心とする。それにより、限られたリソースとインフラが生み出す価値を最大化させる。
また、「橋渡り」事業を成功させるためには、単に技術をくくりだすだけではなく、完成された事業として必要な要素を補う、相補的イノベーションを展開する。これを実現するため、ただ単に製薬業界と連携するだけではなく、産総研の基盤技術をコアとし、製造業や機器メーカー等の様々な業種の企業を巻き込んだオープンイノベーション体制を構築する。
同時に、産総研内の創薬基盤部門や人工知能研究センター等との分野融合的な連携も目指す。
成果を著名な国際学術雑誌に迅速に発表することは、研究センターとしての国際的な基盤を確立するために不可欠である。また、産業界との連携により生まれた成果は、産業界の経営戦略を優先させつつも、積極的に外部に発信する。また、記者会見やメディアへ公表等は、広告代理店のコンサルティング等も適宜活用し、発信力を高め、産総研の生み出した技術の社会的意義の高さを強くアピールする。
研究にまつわる事故は、研究者の身体生命に危害を加えるだけではなく、本センターの研究活動にも重大な影響を及ぼす恐れがあるため、安全重視を徹底する。具体的には、安全ガイドライン・細則の遵守、および日常的なチェック活動による実験災害・事故のリスクの排除等を中心に、積極的にリスク管理を進める。またライフサイエンス研究ユニットにとって重要である、組換えDNA実験、放射性同位元素(RI)取り扱い、微生物実験(バイオセーフティ)等に関しては厳しく規則遵守を実施する。また、製薬企業や臨床データ等、高い機密性を要求される情報を取り扱うため、情報セキュリティ規程に基づき情報を分類し、機密性が高いものについては業務支援側で一括管理する。
コンプライアンスに関しては、産総研の理念・方針のもと、研究者として誠実かつ適切に行動することが重要な行動原則であると考え、法令・規程・規則の確認と遵守の徹底を促す。コンプライアンスに関し強い意識を持つよう定期的に注意を喚起し、自らの行動を律し、その結果として当センターが組織としての社会的責任を果たすことを心がける。
バイオ計測とバイオITの融合研究拠点として、確立した地位を築くことと併せ、産業技術の発展、産総研の利益につながる形での人材育成を目指す。センターのミッションと研究課題を様々な角度から理解し且つ実践するため各チームリーダーレベルでチーム各員の意識と方向性の擦り合わせを十分行う。そのための、セミナー・進捗ミーティングを頻繁に行い、且つ外部の講師を招き啓蒙的な講演会や研究会を実施する。また、基礎研究を軸足におきつつ産業化貢献する応用研究への展望を見据え、個人的な興味や、たこ壺的な開発に陥っていないか、研究の方向性を常に心がけた指導を行う。一方、研究者が情熱を持って取り組む事が可能な萌芽的研究は、その実施を積極的に支援する。新センターのミッション性格上、特に産業界との交流を重視するとともに、諸外国、特にアジアとの交流をさらに盛んにする。グローバル社会となった今、日本が進むべき成熟社会に向けて、科学を基盤として諸外国との良好な関係を築き挙げる。また、センターに所属する正職員の多くが大学等の教育機関(東京大学、首都大学東京、北海道大学、東京医科歯科大学、早稲田大学、奈良先端大学院大学、東京理科大、福島県立医科大学、愛媛大学、大阪府立大学、武蔵野大学)の教員を兼務しており、連携先での出張講義や、連携先大学院生を実習生としてセンターに常駐させて博士論文の指導を行うなど若手研究者への人材養成も行う。
以上