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安全なiPS細胞を高効率で誘導する新規因子Glis1の発見
担当:五島 直樹 研究チーム長
原がん遺伝子c-Mycを含む従来の山中4因子によるiPS細胞には、腫瘍発生が懸念されていた。
一方、 c-Mycを除いた山中3因子ではiPS細胞誘導効率が低い問題があった。
そこで今回、ヒト完全長cDNAリソースから安全かつ効率的なiPS細胞作製を可能にする新規因子Glis1遺伝子を発見した。
Glis1を3因子(Oct3/4, Sox2, Klf4)と共に線維芽細胞に導入すると、従来法に比較して数十倍以上の効率でiPS細胞を作製でき、 このiPS細胞から作製したキメラマウスは腫瘍発生も認められなかった。
さらにGlis1の作用機構も解明し、初期化が不完全な細胞の増殖を抑制し、初期化した細胞のみを増殖させることを明らかにした。
本成果は、Nature誌の2011年6月9日号に掲載された。また、PCT出願を既に行っている。
新規iPS細胞誘導因子の探索
今回発見された転写因子Glis1とそこから得られた知見は、iPS研究の基礎研究、将来のiPS細胞の臨床応用に大きく貢献する。
現在、標準的なiPS細胞誘導因子の有力候補になっている。
Glis1を用いた新規iPS細胞誘導法の開発
【最近の主な成果】
・ヒトのインビトロ・プロテオーム研究の活用
・安全なiPS細胞を高効率で誘導する新規因子Glis1の発見
・免疫モニタリングシステムの開発と臨床診断への利用
・ヒトタンパク質の網羅的細胞内局在画像情報の公開
・不溶化タグの開発と標準タンパク質としての利用
・再生医療実現拠点ネットワークプログラム